ついたて将棋の手筋 vol.2

こんにちは。assumed4です。

だいぶ長い期間にわたり更新せず申し訳ありませんでした。

ついたて将棋三段という称号をいただきながら、ついたて将棋の普及や発展に何の貢献もしてこなかったことを深くお詫びいたします。

そこで、自分の時間が空いているときに限りますが、これからは日々の対局でこれは!!と思った手筋について紹介していきたいと思います。

 

本日ご紹介する手筋は5一(九)玉の縛り方についてです。

相手玉が5一(九)にいるとわかることは、実は実践においても頻繁にあります。とても大きなチャンスではありますが、なかなか強者相手になればなるほどチャンスをものにするのは難しくなります。そこで3つほど基本的なものを紹介します。始めの二つはご存知の方、あるいはもう使いこなしている方が多いでしょう。

 

①5四(六)桂

 よくある手筋です。相手玉の両隣には初期配置と変わらず金がいる可能性が高いとみて、玉の逃げ道を5二(八)に制限する目的です。と金や金駒などと組み合わせて6二(八)、4二(八)を攻めれば詰むことも大いにあり得ます。やはり1400点以上の相手になってくると簡単に読まれて多くは同歩とされますが、そのあとスペースのできた5三(七)に金駒を打ちこんでみたり、すかさず桂馬を成りこんでみたりするとよいでしょう。

これは後に書く二つにも共通して言えることですが、拮抗した将棋や相手が速攻を仕掛けてきた場合は玉の守りに手数をかけることが難しくなり、相手が居玉である可能性が高くなります。不利でも少ない手数で一発逆転できる可能性がありますから、常に居玉はないかと疑って損はないと思います。

 

②5二(八)角打~6二(八)or4二(八)飛車~6一(九)角成or4一(九)角成

 よく居玉速攻などと言われる手筋です。相手を侮りがちな段位者もいるので意外と誰に対しても成功することが多いです。角と飛車を敵陣に打ち込むので、相手が金銀や玉をたまたま動かしたらそれらが取られてしまうリスクはありますが、それを恐れずにやるのが面白い!(本当はそんな運げーではない) 最後の角成は飛車成でもよいように見えるかもしれません。事実相手が4二銀型のような場合は6一飛車成の方が勝ります。これは相手陣に持ち駒を打ってみるなどして相手の陣形を把握すれば適切な方を選べると思いますが、正直自分はいつも角成を選んでいます。飛車の横ぎきが詰みをもたらす場合が多いためです。

 なお最初の5二(八)角打は7二(八)角打or3二(八)打もありです。

 

③挟み撃ち

 この記事のメインです。実践であった以下の図を見てください。

      〈1枚目〉               〈2枚目〉

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 図では△7七銀が気持ちの良い縛りになっています。

既にこれまでの流れから玉が5九に逃げた(もともと相手は別の場所に玉を置いていた)ことはわかっていました。1枚目の7七銀打を指す前の段階では飛車と銀を持っていましたから、玉を挟み撃ちにすることを考えると候補として7八飛車打、7九銀打、7七銀打が考えられます。

まず7八飛車打ですが、これは相手のレートを考えても読まれる可能性が高いです。事実、相手は反則を二回使ったあと7八金としました(あぶねぇ)。また、最終的に飛車を使って詰ましたいという気持ちもあるので、縛りの段階で飛車を手放すのは得策ではありません。

次に7九銀打ですが、これは十分に考えられる手になります。僕も7七銀打と悩みましたが、銀が初期位置のままで反則になる可能性があるということ、それから仮に相手の金が初期位置の6九におらず6九玉~7九玉or7八玉を目指した場合空振りになること、さらに玉の逃げ道を作りつつ7九銀をケアする7九金も考えられる(それを指せるのは完全にプロ)ことから避けました。

玉の逃げ道を確保したい相手にとって一番嫌なのは7七銀打でしょう。7七角も7七桂もこちらが7七銀打としていない場合玉の守りにおいて何のプラスにもならず、相手が7七銀の可能性をわかっていても指しにくい手だからです。本譜でもこの銀を取られることはなく、2枚目の3九飛車打~4九飛車成で勝負が決しました(きちんと最後4九に合い駒をしたのはお相手もさすがですね)。

ちなみに7七に駒を打つ(進める)発想は相手玉が5九にいない場合でも有効になることがあります。先手番で相手が角道をあけることはとても多いので7七桂不成や7七桂打といった手も成立します。発展的な手ですので初めは慣れないと思いますが、試してみてはいかがですか。

ついたて将棋とは

読者が増えなくて悲しいな~って思ってましたが、よく考えたら、その大きな理由はそもそもついたて将棋を知っている人自体少ないからではないかと最近気づきました(遅い)。

そんなわけで、いまさらですがついたて将棋とは何かということについて記事を書きたいと思います。

ついたて将棋の魅力は主に以下の3つ

本将棋が弱くてもついたて将棋ならランキング上位に食い込める

・弱い人でも強い人に勝てることがある

・子供も大人も気軽に楽しめる

★ついたて将棋のルール

まずルールから説明します。

ついたて将棋は相手の駒が見えない状態で指す将棋です。始めは自分の駒しか見えないですが、自分が相手の駒を取った時にはその駒が何かわかります。持ち駒としてそれを使うのももちろん可能です。

相手が自分のどの駒をどこで取ってきたか(そのときの相手の駒はわからない)や、相手のどんな駒をどこで取れたかなどの情報から、相手がどう攻めてどう守っているか判断しながら指します。

尚、王手をかけたりかけられたりしているときは、画面に表示されます。さらに、相手の駒があるところに自分の駒を打とうとした時や、相手の駒のせいで駒を動かせないところに駒を動かそうとした時、王手をかけられた状態でそれを解消する手をさせなかった時には反則となります。反則は9回まで可能ですが、10回すると負けになります。

 

★プレイ方法

①将棋クエストというサイトでアカウントを作成すると、それ以降はオンライン対戦のボタンを押せばすぐに試合が始められます。このクエストシリーズにはついたて将棋以外にも10分切れ負け、5分切れ負け、2分切れ負けの本将棋や、囲碁リバーシ、チェスなどがあります。↓

  将棋クエスト(ついたて将棋) wars.fm/tsuitate 持ち時間10分で切れたら負け

②ついたて将棋道場というものもあります。これも適当にログインすればフリー対局などができるようになります。ただ、普段はここでついたて将棋をやる人がいないので、ある特定の人とやりたいときに打ち合わせをしてからこのサイトでやるのが良いでしょう。また、ここなら将棋クエストと違って反則回数の上限なども設定可能です。ハンディ戦などもできます。↓

  ついたて将棋道場 http://133.130.72.92/tsuitate.html 

 

★一言(といいつつ地味に長い)

はじめはよくわからないかもしれませんが、何度もやるうちにその面白さがわかってくると思います。何連敗してもあきらめず続ければ強くなれますし、気付けばついたて将棋の虜になっていることでしょう。お互い相手の駒が見えない状態で指すので、思考力や棋力のみならず、運要素や予測能力、かけひきなどもからんできます。だから他のボードゲームと違って自分より格上のプレーヤーにも勝つことが出来ます。また、慣れればルールも簡単なので、子供も大人も楽しめます。休み時間などのちょっとした空き時間に遊ぶことも可能です。

 

この記事を読んで、少しでも多くの人がついたて将棋を知り、興味を持ってくれるとうれしいです。

悩む前にとにかく一度やってみてください!